設立趣意

 当財団の設立者光岡清は、第2次世界大戦の終結に伴い中国東北部から帰国し、実業を通じて祖国復興に寄与することを念願して、昭和 25年イワブチ株式会社を創設し、基幹産業である電力・通信・鉄道等において欠かすことのできない各種架線金物の製造に携わりましたが、幸い大方のご高援を得て、事業は順調な発展を遂げることができました。
 この間わが国は、戦後幾多の困難を克服して、経済、社会、文化等の面で高度の成長を遂げ、国民生活もその余沢を享けることができるようになりました。
 しかしながら、かような繁栄の陰にあって、優れた素質と確固たる志を有しながら経済的不遇のため進学を果たし得ない青少年がいることは、真に心が痛むことでありました。
 また学問の研究、技術革新の重要性は申すまでもないことですが、そのために必要な研究費等の予算が不足していて、十分な成果を挙げることができない例も多々あるように見受けられました。
 幸いにしてイワブチ株式会社は社会各方面のご期待ご支持も厚く、また挙社努力の結果、逐次発展して参りまして、平成7年その株式を店頭公開するに至りましたが、今回これを記念とし、大方のご支援にいささかなりと報いたき意を籠めまして、奨学会設立を発意致しましたところ、同社を始め関係各位より心からなるご賛同と、設立及び今後の運営に対し、ご支援、ご協力頂くことになりましたので、ここに「財団法人光奨学会」を設立し、同社の本拠とする松戸市を中心に、学生、研究機関等に対する支援、助成を行い、以て将来わが国を担う若人に夢と希望を贈らんとする次第であります。

平成8年8月28日付「設立許可申請書」より